教師になることをお考えのみなさんの中には、「年齢制限」が気になる方も多いのではないでしょうか。 「少しでも早く教壇に立ちたい、何歳からならなれるのか」とお考えの方、逆に、「民間企業で働いているが、教師への転職を考えている」「諸事情で大学卒業が遅れる」という方もいるかもしれません。年齢制限をよく確認して計画を立てる必要がありますね。 そこでこの記事では、教員採用試験の年齢条件について解説します。ぜひ参考にしてください。
教師になれるのは何歳から?

まず、教師には早くて何歳からなれるのかを確認しましょう。
短大卒の場合は20歳
少しでも若いうちから教壇に立ちたい場合、小学校や中学校の2種免許であれば短大でも取得が可能です。その場合、高校卒業後に教職課程のある短大に進学し、在学中に19歳で教員採用試験を受験して合格すれば、短大を卒業した20歳から教師として教壇に立つことができます。
普通大学卒の場合は22歳
小学校や中学校の1種免許、高校の2種免許は、4年制大学の教育学部や、教職課程のあるその他の学部で取得できます。教員免許取得といえば、これが最も多いパターンでしょう。この場合、大学を卒業した22歳で教師になることができます。
教員採用試験の受験資格要件
一例として、東京都の「令和6年度東京都公立学校教員採用候補者選考(7年度採用)
実施要綱」を見てみましょう。
一般選考の選考対象として、「昭和60年4月2日以降に出生し、(中略)必要な免許状を取得済みの者又は令和7年4月1日までに取得する見込みの者」と記載されています。
このように、年齢上限については触れられていますが、下限についての記載はありません。必要な教員免許状を取得していればよいということになります。
教員採用試験の年齢制限

公立学校の場合、採用試験は都道府県や政令指定都市ごとに行われており、年齢の条件もそれぞれに異なります。近年は59歳まで受験可というところが大半を占めていますが、39歳までとしている東京都、45歳までとしている大阪府をはじめ、現在でも30~40代までという年齢制限を設けているところもあります。
ご自身が希望する都道府県等の条件を確認してみましょう。
公立学校の年齢制限は緩和されてきている
公立学校の採用試験では、近年、受験年齢制限の緩和が進んでいます。
文部科学省がまとめた「令和5年度(令和4年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施方法について」の「受験年齢制限の状況」を見ると、「59歳まで」が53県市で、令和3年度調査の47県市からさらに増加していることがわかります。この傾向はここ数年続いており、現在進められている教師の定年年齢引き上げに伴って、さらに60代でも受験可とする動きもあります。
年齢制限を緩和することで教師不足を解消
文部科学省がまとめた「『教師不足』に関する実態調査」によると、令和3年度始業日時点の公立小・中学校の「教師不足」人数は合計2,086人と報告されています。近年の教員採用試験における受験年齢制限の緩和は、こうした教師不足の解消をねらって行われていると考えられます。
教員不足が深刻な地方自治体では、自治体内の大学と連携し、将来地域の教師になることを目指す高校生らを対象に推薦入試などで学生を募る「地域枠」を設け、地域枠の学生が一定の成績条件を満たせば県の教員採用試験の特別選考を受けられるよう優遇するなど、確実に教師を確保するための取り組みも行われています。
私立学校の教員採用試験の年齢条件は?
公立学校の教員採用試験の年齢条件を見てきましたが、私立学校はどうなっているでしょうか。
一部の県で行われている「私立教員適性検査」には、年齢制限は設けられていません。ただし、最終的に採用する学校によって、35歳までとしていたり、年齢制限なしとしていたりと、条件はやはりさまざまです。
私立学校への就職を希望する場合は、その学校の募集要項をしっかり確認しましょう。
まとめ
今回は、教員採用試験の年齢条件についてお伝えしました。
教師不足という背景もあり、教員採用試験における年齢制限は緩和される傾向が続いています。この動きは今後も進むと考えてよいでしょう。今から教師を目指すみなさんにとっては追い風が吹いているということになります。このチャンスを生かし、「教師になりたい!」という夢をぜひかなえてください。
あなたの意欲が、これからの日本の教育界の活力となります。ご健闘を心からお祈りしています!
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