コラム

【教員免許が取得できる大学】教育学部と教職課程がある学部の違いも解説

【教員免許が取得できる大学】教育学部と教職課程がある学部の違いも解説 教師

教員免許を取得して教師になろうと考えているみなさん、目指す教師になるためにどんな免許を取ればいいのか、どんな大学・学部に進学すればいいのか、理解できていますか?

一口に教員免許と言ってもさまざまな種類があり、それを取得するための方法も異なってきます。自分が目指す校種を考えて、学ぶ場を決める必要があります。

そこでこの記事では、教員免許状の種類やそれを取得できる学部、また、教育学部とその他の学部の違いなどを解説します。ぜひチェックして、大学選びの参考にしてください。

大学で取得できる教員免許状一覧

大学で取得できる教員免許状は、以下のとおりです。



幼稚園
幼稚園教諭一種免許状
幼稚園教諭二種免許状
幼稚園教諭専修免許状


小学校
小学校教諭一種免許状
小学校教諭二種免許状
小学校教諭専修免許状


中学校
中学校教諭一種免許状(教科)
中学校教諭二種免許状(教科)
中学校教諭専修免許状(教科)

高等学校
高等学校教諭一種免許状(教科)
高等学校教諭専修免許状(教科)


特別支援学校
特別支援学校一種免許状
特別支援学校二種免許状
特別支援学校専修免許状


養護教諭
養護教諭一種免許状
養護教諭二種免許状
養護教諭専修免許状

この表でわかるように、教員免許状には「一種」「二種」「専修」という種類があります。

「一種」は4年制大学の教育学部や、その他の学部の教職課程を履修して卒業した者が取得できる免許ですが、「二種」は短期大学卒業でも取得できます。「専修」は、一種免許状を保有している者が大学院で所定の単位をおさめて修了すると取得できる免許です。

教員免許を取得できる学部

教員免許を取得できるのは教育学部だけだと思われがちですが、教育学部でなくても取得できる場合があります。

・教育学部

教育学部は、文字どおり「教育」を学ぶ学部ですが、大きく2種類の課程に分けられます。ひとつは、教員になるために必要なことを学ぶ「教員養成」のための課程、もうひとつは、「教育学」を学問として追究する過程です。

教員養成課程で学べば、教員免許を取得するためのカリキュラムが整備されているため、卒業と同時に教員免許を取得できます。一方、教育学部でも教員養成系でない課程では、教員免許取得に必要な科目が必修科目になっていない場合があるため、教員免許を取りたいのであればその点に注意が必要です。

・教職課程のある学部

教育学部でなくても、教職課程が整備されている学部であれば教員免許を取得することが可能です。たとえば、理学部に進学して、学部の必修科目を学びつつ教職課程も履修することで、中学・高校の理科や数学の免許を取得することができます。

ただし、小学校の場合は幅広い教科を担当することになるため、上記のような特定の学部で取得できるケースは少なく、教育学部の小学校教員養成課程で学ぶのが一般的です。

教育学部と教職課程のある学部の違い

それでは、教育学部と、教職課程のあるその他の学部とでは、どのような違いがあるのか、もう少しくわしく見てみましょう。

履修単位数

教育学部では、必修科目を履修すれば教員免許が取得できます。

一方、教育学部以外の学部で教員免許を取るためには、その学部の必修科目とは別に教職課程の履修が必要となります。そのため、総履修単位数が教育学部よりも増えることが多く、その分負担が大きくなると言えます。

教育実習の時期

教育学部生の教育実習は、多くの場合2~3年生の時から複数回行われます。早い時期から実際の学校現場に触れて経験を積むことが可能です。

一方、その他の学部生の教育実習は、4年生の6月ごろに2~3週間行われるのが一般的です。教育学部生に比べると期間が短く、1度だけであることが多いため、実習の充実度という点では教育学部のほうが優れています。また、他学部の場合は時期が就職活動と重なることも、ややネックだと言えるでしょう。

教科の専門性

教育学部は、教育学をはじめ教師になるために必要な専門知識、児童生徒の心身の成長のために、どのような教育を行えばよいかということを中心に深く学びます。

一方、その他の学部では、教職課程とは別に各学部の専門分野を学びます。教職課程の学びの深さは教育学部の方が勝りますが、教科の専門分野の学びはその他の学部の方が深く追究できると言えるでしょう。

卒業後の進路

教育学部の卒業生は、大半が教師をはじめとする教育関連の仕事に就きます。それ以外の業種の一般企業にも就職できますが、就職面接などの際に「教育学部に進んだのに、なぜ教育の道に進まないのか?」という疑問を持たれやすいため、その点は前向きな理由をしっかり答えられるよう考える必要があります。

その他の学部で教職課程を修了した卒業生は、専門分野に関連した一般企業に就職する道と、教師になる道、どちらを選んでも、大学での学びを仕事に直接活かすことができます。

教員採用試験の対策

教育学部では、教員採用試験対策がカリキュラムに含まれていることが多く、その点では比較的安心です。

その他の学部では、教師になるために必要なことは学べても、採用試験対策までは授業内で行われていないのが一般的です。大学によっては、有料の課外講座としてそうした試験対策を行っているところもあります。

どのように学部を決めればいいのか

教師になる道として、教育学部のほかに教職課程のある他学部もあることをお伝えしましたが、どう選べばいいでしょうか。

教育学部

教師になることが第一目標だという人は、やはり教育学部がおすすめです。特に小・中学校の教師になりたいのであれば、教科の教授法や児童生徒の心身の発達、教育心理などを教育学部で深く学ぶことは非常に有意義でしょう。教育実習の経験も多く積めるため、早い時期から実際の教育現場でさまざまな児童生徒に触れ、理論と実践をバランスよく学べるという利点もあります。

教職課程のある学部

ひとつの専門分野への興味が深く、「その分野を究めたい、そのおもしろさを伝えたい」という思いが強い人は、その専門学部に進むのがおすすめです。前述したように教育学部に比べて単位の履修負担は増えますが、特に教科の専門性が高くなる高校の教師になりたい人は、専門を究めておくことが将来に役立つでしょう。また、教師になるか一般企業に就職するかで迷っている、という場合も、こちらの方がよいでしょう。

教員免許を取得できる大学を紹介

教員免許を取得できる大学は、文部科学省のWEBサイトで紹介されています。

令和5年4月1日現在の教員免許状を取得できる大学:文部科学省」からPDFまたはExcelにて教員免許を取得できる全国の大学がまとめられていますので、大学を探す際の参考になります。

まとめ

教員免許を取得して教師になろうと考えているみなさんに向けて、教員免許状の種類やそれを取得できる学部、また、教育学部とその他の学部の違いなどをお伝えしました。ご自分がどの免許を取ればよいか、そのためにどの学部に行けばよいか、イメージできたでしょうか。

この記事を参考にしていくつかの大学や学部をピックアップし、それぞれの教育内容などについて調べてみましょう。大学ごとにいろいろな違いがあることもわかるはずです。自分がどんな教師になりたいか、そのために何を学ぶべきかを考え、それができるところを絞りこんでいくとよいでしょう。

納得いく進路選択ができるよう、ぜひじっくり考えてみてください。みなさんのご健闘をお祈りしています!

コメント

このページのトップへ

保存した求人を見る

当ウェブサイトでは、お客様により良いサービスを提供するため、クッキーを利用しています。クッキーの使用に同意いただける場合は「同意」ボタンをクリックし、クッキーに関する情報や設定については「詳細を見る」ボタンをクリックしてください。

同意する
タイトルとURLをコピーしました