小・中学校や高校の教師になることを検討中のみなさん、気になるのはやはり教師の年収ではないでしょうか。教師はやりがいのある仕事ですが、納得できる収入が得られるかどうかは、あらかじめチェックしておきたいところです。
そこでこの記事では、小・中学校や高校の教師の年収についてくわしく解説します。また、教師を目指すならやっておきたいことについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
小・中学教師の年収

政府が実施した「令和4年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに、小・中学校の教師の平均年収を見てみましょう。
全体平均
データによると、小・中学校教師全体の平均月収は46万4600円、ボーナスの平均額は182万2000円です。これらのデータから、小・中学校教師の年収は、
月46万4600円×12ヶ月+ボーナス182万2000円 = 年収 739万7200円 と算出できます。
年齢別
次に、小・中学校教師の、年齢別の平均年収データをご紹介します。
年齢 | 月収 | ボーナス | 年収 |
20〜24歳 | 27.2万 | 59万 | 385.4万 |
25〜29歳 | 31万 | 93万 | 465万 |
30〜34歳 | 38.4万 | 168.9万 | 629.7万 |
35〜39歳 | 45.3万 | 137.6万 | 681.2万 |
40〜44歳 | 49.8万 | 195.1万 | 792.7万 |
45〜49歳 | 54.5万 | 230.5万 | 884.5万 |
50〜54歳 | 59.7万 | 236.7万 | 953.1万 |
55〜59歳 | 58.6万 | 297.7万 | 1000.9万 |
60〜64歳 | 51.6万 | 190.9万 | 810.1万 |
65〜69歳 | 37.3万 | 196.8万 | 644.4万 |
70歳〜 | 48.4万 | 45.2万 | 626万 |
このように、59歳までは年齢が上がるにつれて年収も右肩上がりにアップしていることがわかります。60歳以降の年収が減るのは、定年を迎えたあと年収が低めの再雇用や非常勤講師などになる人が増えるためだと考えられます。
男女別
同じ調査データで、小・中学校教師の男女別の平均年収を見てみましょう。
男性:月48万8100円×12ヶ月+ボーナス206万6600円 = 年収 792万3800円
女性:月42万8100円×12ヶ月+ボーナス144万1100円 = 年収 657万8300円
平均値を見ると女性の年収が男性に比べてかなり少なく見えますが、これは結婚や子育てを機に、比較的自由度の高い非常勤講師などになる女性が多いためだと考えられます。女性教師でも、男性教師と同じ条件で働いていれば、収入には差がつかないのが普通です。
高校教師の年収
では次に、高校教師の年収を見てみましょう。
全体平均
先ほどの調査データによると、高校教師全体の年収平均は
月43万2900円×12ヶ月+ボーナス158万200円 = 年収 677万5000円 となっています。
小・中学校より少なく見えますが、高校の場合は一部の授業だけを担当する非常勤講師が小・中学校よりも多く、それらも含めた平均値であるためだと考えられます。
年齢別
高校教師の年齢別の平均年収は次のとおりです。
年齢 | 月収 | ボーナス | 年収 |
20〜24歳 | 26.4万 | 33.7万 | 350.5万 |
25〜29歳 | 29.5万 | 83.8万 | 437.8万 |
30〜34歳 | 35.7万 | 111.7万 | 540.1万 |
35〜39歳 | 41万 | 156.2万 | 648.2万 |
40〜44歳 | 46万 | 179.1万 | 731.1万 |
45〜49歳 | 49.3万 | 200.6万 | 792.2万 |
50〜54歳 | 53.1万 | 196.6万 | 841万 |
55〜59歳 | 56.6万 | 228.9万 | 908.1万 |
60〜64歳 | 46.7万 | 192.5万 | 752.9万 |
65〜69歳 | 41.7万 | 127.7万 | 628.1万 |
70歳〜 | 27.3万 | 21.7万 | 349.3万 |
59歳まで増え続ける傾向は、小・中学校と変わりありません。
男女別
次に、高校教師の男女別の平均年収は次のとおりです。
男性:月44万9600円×12ヶ月+168万4000円 =707万9200円
女性:月39万4500円×12ヶ月+134万2800円 =607万6800円
男性のほうが高くなる傾向は小・中学校と同様です。
教師の種類
小・中学校と高校の教師の平均年収を見てきましたが、これはあくまで「平均」です。実際には、勤務する学校や立場の違いで、年収はかなり異なります。
公立学校と私立学校
公立学校と私立学校では、採用形態が異なります。
公立学校教師の採用試験は、設置者である自治体ごとに行われ、教師は公務員となります。私立学校の採用は、学校法人ごとに行われます。
平均年収で見ると、公立学校と私立学校の教師にそれほど大きな違いはありません。ただし私立の場合は、経営する学校法人の規模や経営状態などによって、勤務する教師の年収にはかなり開きがあるのが実情です。
正規教員と非正規教員
教員免許を取得し、教員採用試験に合格した教師は「正規教員」、教員免許は取得しているものの、教員採用試験に合格していない教師を「非正規教員」と言います。 次年度の採用試験合格を目指して、非正規教員として経験を積みながら勉強している人も多くいます。
非正規教員でも、学級担任や部活動顧問を任されたり、学校行事や会議に参加したりするなど、正規教員とほぼ同じ仕事をしている例はたくさんありますが、その年収は正規に比べてかなり低いのが実情です。
常勤講師と非常勤講師
正規雇用の教師が不足する際に、臨時に雇用されるのが「常勤講師」と「非常勤講師」です。どちらも非正規教員ですが、働き方には違いがあります。
常勤講師の勤務時間や業務内容は、正規雇用の教師とそれほど変わらないことが多いのですが、ボーナスが少ないなど、年収は正規教員より低くなることがほとんどです。
非常勤講師は、自分が担当する授業とそのテスト作成・採点を行い、その他の校務は担当しません。授業ひとコマいくら、というコマ給となるため、授業をどれだけ担当するかによって収入が変わってきます。
教師を目指すならやっておきたい塾講師

ここまで教師の年収を見てきましたが、正規雇用で長く働くことで確実に収入がアップすることがおわかりいただけたことと思います。
将来、実力ある教師となって長く働き続けることを目指すなら、その下準備として塾講師のアルバイト経験を積んでおくことが非常におすすめです。
授業に慣れることができる
「人に教える」ということは、未経験ではなかなか難しいものです。集団指導塾の講師になると、学校と同じように数十人の生徒の前に立って授業をすることになり、将来学校の教師になるためのよい経験を積むことができます。
生徒をリアルに感じられる
塾講師も、学校の教師と同様に、生徒たちと直にコミュニケーションをとります。さまざまなタイプの生徒たちと接することで、生徒の実態をリアルに感じることができ、自分が実際に教師として働き始めた時のイメージを描きやすくなるでしょう。
教師以外の選択肢が考えられる
塾講師の仕事を経験することで、生徒に寄り添ってよりよく導く「教育」のやりがいや難しさを知ることができ、それが自分に向いているのかどうかを判断することができます。場合によっては、教師以外の選択肢を考えるきっかけになるかもしれません。いずれにしても、自分と向き合って将来を考えるチャンスとなるでしょう。
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まとめ
小・中学校や高校の教師になることを考えている皆さんに向けて、学校の教師の平均年収や、塾講師アルバイトのメリットをお伝えしました。
教師の仕事は大変なこともありますが、正規で長く働けば待遇も比較的よく、教育への志がある方にはぜひ挑戦していただきたいものです。そのための準備として、また、自分の向き不向きを確かめるために、塾講師のアルバイトも検討してみてください。
この記事を読んだみなさんが、納得いく進路選択ができることをお祈りしています!
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