学校の教師はやりがいのある仕事ですが、「仕事がハードすぎる」「上司や同僚と合わない」などの理由で転職を考えている人も意外と多いようです。しかし、いざ転職となると、どの仕事に転職すべきなのか、注意すべきことは何か、そもそも自分にできるのか……など、悩みも多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、学校教師からの転職をお考えの方に向けて、考えられる選択肢や転職のコツなどをお伝えします。決断の前に、ぜひ参考にしてください。
教師の転職で考えられる選択肢

まず、学校の教師の転職先としてどんな選択肢が考えられるのかを見ていきましょう。
塾の講師や予備校の講師
候補としてまず挙げられるのは、塾や予備校の講師への転職です。学校で教えてきた経験を生かすことができるため、心理的なハードルが比較的低いというメリットがあります。
一方、塾や予備校は、学校以上に「成績」に対してシビアです。生徒の成績を上げられないと、給与面に影響することもあります。これは学校の教師とは大きく違う点として知っておきましょう。
学校の事務員
同じ教育関係職として、学校の事務員への転職も考えられます。電話の応対や窓口での対応、事務的な文書の作成、教職員の給与計算や経費の精算、備品や教材の管理・発注、学校施設の管理などを担当する仕事です。学校教師として働いた経験があれば、事務員がどのような仕事をしているかはおおよそイメージしやすいでしょう。
「生徒に教える」という立場を離れたい人には向いていると言えるかもしれません。
営業職
一般企業の営業職に転職するという選択肢もあります。「自社の商品の特色をわかりやすく説明して相手の心をつかむ」という営業の仕事は、「わかりやすい説明を工夫して生徒の興味関心を引き出す」という教師の仕事に通じるところがあります。そうした点にやりがいを感じるのであれば、選択肢のひとつとしてもよさそうです。
未経験採用している業種
IT関係や福祉関係、運輸業や建築業などは人手不足と言われており、「未経験者可」という求人が比較的多くあります。転職後も研修などのフォロー体制が整っていることが多く、意欲があればスムーズな転職も期待できます。教育とは全く異なる分野で心機一転して働きたい人にはよいでしょう。
ただし、人手不足のところは労働環境が良くない場合もあるため、そうした環境や離職率などは事前にチェックしておきましょう。
官公庁の公務員
国家公務員試験や都道府県職員採用試験などを受験して、官公庁(国や地方自治体の役所)で働く公務員に転職する、という道もあります。「安定」のイメージがある公務員は根強い人気があり、採用試験も高倍率であることが多いので、十分な対策をして臨みましょう。職歴よりも試験の結果が重視されるため、未経験でも試験さえ合格してしまえば採用となる点は教師からの転職に向いていると言えるでしょう。
転職に役立つ教師のスキル
教職経験者には、転職のときに役立つスキルが備わっています。自信を持って転職するためにも、自分のスキルを確認しておきましょう。
プレゼンテーションスキル
伝えたい内容を相手にわかりやすく伝える力が「プレゼンテーションスキル」です。
生徒にわかりやすいように工夫をして教えてきた教師には、このスキルがある程度身についているはずです。
塾や予備校など人に教える仕事ではもちろん役立ちますし、教育関係以外の仕事でも、社内外に対してプレゼンをする機会は多いものです。そのスキルは転職にあたって大きなアピールポイントとなります。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションは人間関係の基本ですので、そのスキルはどのような仕事に就いても必要です。塾や予備校の講師としてはもちろん、事務員としての受付業務、介護などの福祉関係職、一般企業の営業職などでも、コミュニケーションスキルは重視されます。
教師として培ったコミュニケーションスキルの高さをアピールできるエピソードがあれば、転職の際により強力な武器となるでしょう。
マネジメントスキル
マネジメントスキルとは、一言で言えば「管理能力」です。特に、組織のリーダーやマネージャーとして、チームの状況や目標に対する進捗状況を把握・管理する力を指します。学校のクラス担任や教科担任としてクラスや授業を管理・運営してきた経験は、マネジメントスキルの向上につながっているはずです。
指導力
教師として生徒を指導してきた指導力は、教育系の仕事に転職する場合は特に、教職未経験者と比べて大きなアドバンテージとなります。これまで指導してきた学年や教科が、転職先で求められているものとできるだけ近いと、より有利に評価される可能性が高まるでしょう。
教師の転職が難しいと言われる理由
転職に役立つ教師のスキルを見てきましたが、一方で、「教師の転職は難しい」という声もあります。どのような点が難しいとされているのでしょうか。
ビジネス経験が少ないと思われる
学校の教師は、一般的に「利益(売上)を上げる」という目標をもった経験がないため、利益を追求する必要があるビジネスの現場では、「世間知らず」「緊張感がない」などと受け取られる場合があります。一般企業への転職を考える場合には、この点に十分注意しましょう。
転職活動の時間がない
学校現場は非常に多忙であり、学級担任や部活動顧問などをしていると、休日にも出勤したり仕事を持ち帰らざるを得なかったりする現状があります。転職活動はそれなりに時間がかかるものですが、多忙な中で時間を捻出して転職に向けたリサーチや対策をするのは、なかなか難しいことも考えられます。
タイミングが難しい
一般企業であれば、年度途中で退職して別の会社に移るということは珍しくありませんが、学校現場では、担当した生徒を年度末までみるのが原則です。生徒の学習面・心理面を考えると、年度途中で担当が変わるのは教育的に好ましくないと考えられるからです。このため、転職希望先の中途採用募集の時期とタイミングが合わず、転職が難しくなることがあります。
教師が転職するためのコツ

「教師の転職は難しいと言われる」と聞いて、不安になった方もいることと思います。
それでは、教師がうまく転職するためにはどうすればよいのか、その「コツ」をご紹介しましょう。
まずは転職の時期を決める
転職活動の時間が十分にとりにくい中、教師が転職をするためには、ダラダラと転職活動をするのではなく、「いつまでに転職するか」を明確に決めてしまうことが大切です。時期をはっきりと決めることで、それに合わせた転職先を探しやすくなり、よりスムーズな転職が可能となるでしょう。
「いい転職先があれば」「タイミングが合えば」などという気持ちでは、ハードな仕事をしながらの転職は、ほぼ不可能と言っても過言ではありません。
教育業界への転職を検討する
学校の教師がスムーズな転職を考えるなら、やはり、教師としての経験を直接生かせる教育業界がおすすめです。中でも塾講師は、授業はもちろん、生徒への進路指導や保護者との面談など、学校教師の仕事と重なる部分が多いので、経験を大いに生かすことができます。加えて、学校現場の実態を知っていることは、塾講師として勤める上で何かと役に立つことでしょう。
教育系の転職を目指すなら
転職を目指すにあたって、「転職活動を行う時間がない…」「どうやって求人を探せばいいのかわからない」など、お困りではないでしょうか。
教師の仕事を続けながらでは、時間を作るのもなかなか難しいですよね。
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一般企業への転職は年収がさがる可能性
学校の教師は一般的に年齢が上がるにつれて給料も上がります。30代以降に他業種に転職すると、未経験ということでその業種の経験者よりも給料が低く設定され、教師を続けた場合と比べて年収が下がる可能性が高くなります。
新しい業種にやりがいを感じてがんばれるならよいですが、年収が下がって、「学校で教師を続けた方がよかった…」と後悔することもあるかもしれません。メリットデメリットを十分に考えて決断しましょう。
まとめ
学校教師からの転職をお考えの方に向けて、考えられる選択肢やアピールできるスキル、そして転職のコツなどをお伝えしました。
転職は、人生の大きな岐路です。単に「今の仕事が大変だから逃げたい」という気持ちでは、よい転職はできません。今回お伝えしたことを参考に、ご自分の希望やスキルを十分分析し、転職時期や業種、給料などの要素をよく考え合わせて決断しましょう。
この記事を読んだ皆さんの転職の成功を、心からお祈りしています!
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