「インターンシップって、名前は聞いたことあるけど、実際どんなことをするの？」そんなふうに思っている方も多いのではないでしょうか。

インターンシップは、学生が企業で仕事を体験できるチャンスで、就活や将来の社会人生活に役立つメリットもたくさんありますが、期間や内容は企業によってさまざまです。

本記事では、インターンシップの基本から参加するメリット、始める時期や注意点まで分かりやすく解説していきます。

インターンシップとは

インターンシップとは、「就職活動を見据えた学生が、企業で実際の仕事を体験する制度」のことで、大きく以下の2種類に分かれます。

・短期インターンシップ

短期インターンシップは、1日から1週間程度の短期間で実施されるタイプのインターンです。企業説明・グループワーク・社員との座談会などを通して、業界や企業への理解を深めることを目的としており、主に大学3年生向けに就職活動の一環として開催されています。参加のハードルが比較的低いため、複数の企業を比較したい学生にも人気があり、就活の初期段階におすすめの形式であるといえるでしょう。

・長期インターンシップ

長期インターンシップは、数ヶ月から半年以上にわたり、実際の業務に携わる形式のインターンです。社員と同様にプロジェクトに参加したり、責任のある業務を担当したりすることもあるため、実務経験によるスキルアップや社会人としてのマインドを養う機会になるでしょう。大学1・2年生のうちから参加できる企業も増えてきており、自分の成長や適性を確かめたい学生に最適です。

・インターンシップとアルバイトの違い

インターンシップは「成長」や「経験の獲得」を目的とし、職業観の醸成や将来のキャリア設計などに役立ちます。一方、アルバイトは労働の対価としての報酬が目的です。インターンはスキルや知見の習得に重点が置かれており、報酬よりも学びの質が重視されているため、将来を意識した経験であるかどうかが最も大きな違いでしょう。

インターンシップのメリット

ここでは、インターンに参加することで得られるメリットについて紹介します。

業界や職種研究につながる

企業の現場を体験することで、業界の動向や職種の具体的な業務内容を理解することができます。大学3年生から本格化する就職活動前に参加することで、志望業界の絞り込みや、働く環境の相性を見極める参考にすることもできるでしょう。座学だけでは分からない、実践に基づいた理解を深められる点が魅力です。

仕事するイメージをつけられる

職場での人間関係や仕事の進め方に触れることで、「働くこと」への具体的なイメージを持てるようになります。座学や説明会では得られない実感を通じて、将来の働き方を考えるヒントになるでしょう。実際の雰囲気を知ることで、入社後のギャップを減らす効果もあります。

自分の適性を知ることができる

インターンに参加することで、「自分は何が得意なのか」「興味を持てる業務や分野は何なのか」「逆に何が苦手なのか」などを実体験から知ることができます。働く中で得られる自己理解は、自分に合う仕事や企業を見つける大きな手がかりです。就職先選びの精度が高まり、納得のいく選択ができるようになるでしょう。

就職活動に役立つ

志望動機や自己PRを考える際の具体例として、インターンでの経験を活用することができます。また、選考においても、実際の経験談が評価されるケースは少なくないでしょう。「自分が本当にやりたいこと」を見つけるためのヒントになることなども踏まえると、インターンで得た経験は就職活動全体に役立つといっても過言ではありません。

インターンシップの時期と期間

インターンシップは時期や期間によって内容が異なるため、以下にて詳しく解説します。

インターンシップが多い時期

インターンシップが多く開催されるのは、大学3年の夏（6〜9月）や冬（12〜2月）です。夏は多くの企業が選考を兼ねて実施することもあり、参加者が特に多い傾向にあります。春や秋にも一部企業で実施されますが、年間を通じて最も数が多いのは夏期インターンです。希望の企業がある場合は、早めに情報収集を行いましょう。

インターンシップの期間

インターンシップの期間は、1日で完結する“超短期”から、数ヶ月以上続く“長期”まで幅広く存在します。短期は説明会やワークショップ中心で、就活準備に向けた内容が多く、長期は実務を通じた成長にメリットを感じられる内容です。目的に応じて使い分けるとより効果的なため、参加前に内容と日程のバランスを検討しましょう。

インターンシップ参加するタイミング

インターンシップへの参加は大学2〜3年生が一般的ですが、最近では1年生から参加できるプログラムも増えています。就活を意識し始めるタイミングや、興味ある業界が見つかった段階で参加するのがおすすめです。早くから経験を積むことで、自分の方向性を固めやすくなるでしょう。

インターンシップの内容

インターンシップにはいくつかの種類があるため、ここでは代表的な3つの内容を紹介します。

業務体験型インターンシップ

業務体験型インターンは、実際の業務を体験しながら働くスタイルのプログラムです。営業・マーケティング・開発など、社員と同様の業務を任されることもあります。基本的には長期インターンに多く見られ、実務スキルやビジネスマナーを身につけることができるでしょう。成果が求められる場合も多く、責任感や主体性が養われるため、実践的な経験を重視する学生におすすめです。

プロジェクト型インターンシップ

プロジェクト型インターンは、企業から与えられたテーマに対し、チームで企画・提案を行う形式のプログラムです。プレゼンテーションやディスカッションを通じて、課題解決力やコミュニケーション力が鍛えられます。1日〜1週間程度の短期で行われることが多く、就活の一環として位置づけられるケースがある点や、実践型ではありつつも比較的参加しやすい点が特徴です。

会社説明会・セミナー型インターンシップ

会社説明会・セミナー型インターンは、企業理解を深めることを目的とした形式で、1日〜数日間の短期で行われることが多いです。企業説明、社員との座談会、職場見学などを通じて、企業文化や事業内容への理解を深められます。選考を伴わないケースも多く、気軽に参加できるため、初めてインターンに挑戦する学生にも適しています。

インターンシップの給与・交通費

インターンシップにおける給与や交通費の支給は、企業やプログラムの内容によってさまざまです。短期インターンでは無給であることが一般的で、交通費も自己負担となるケースがありますが、長期インターンの場合は時給制や日給制で報酬が支払われることが多く、実際の労働に対して相応の対価が発生します。報酬があるかどうかで参加のしやすさも変わってくるため、事前に募集要項をよく確認し、自分の目的や生活スタイルに合ったプログラムを選びましょう。

インターンシップを探し始めるにあたっての準備

インターンシップを探す際は、応募前に以下のような準備をしておきましょう。

目的を明確にする

インターンシップに参加する前に、自分の目的を明確にしておくことが重要です。業界研究をしたいのか、スキルを磨きたいのか、就活準備の一環として経験を積みたいのかによって、選ぶべきプログラムが異なります。また、目的がはっきりしていることで、応募先の選定やエントリーシートの作成もスムーズになるでしょう。目的が曖昧なまま参加してしまうと、得られるものが少なくなる恐れもあります。

自己分析をする

自己分析を通して、自分の強み・弱み・興味のあること・価値観を整理することで、インターン先の選定がしやすくなります。自分に合った企業を選べるだけでなく、エントリーシートや面接でのアピールにもつながるでしょう。また、将来的なキャリアビジョンを描く第一歩にもなるため、早い段階から取り組むことができれば、就職活動全体にも良い影響を与えるはずです。

インターンシップの注意点

インターンはメリットも多い一方で、注意すべき点もあります。以下のような注意点は、必ず事前に覚えておきましょう。

内容が期待と違うこともある

実務内容が思っていたものと違うケースがあります。特に短期インターンでは業務体験が少なく、説明会に近い内容の場合もあるでしょう。事前にプログラム内容や口コミを調べられていない場合、参加後にミスマッチを感じてしまうことが、モチベーションの低下にもつながりかねません。自身の目的と一致しているかどうかをしっかり確認してから応募しましょう。また、企業ごとにインターンの目的が異なるため、同じ業界でも内容に差が出る点にも注意が必要です。

学業やバイトと両立できない場合がある

スケジュール管理が甘いと、授業やアルバイトと重なってしまう場合があります。特に長期インターンは継続的な勤務が求められるため、事前に自分の時間をきちんと見積もることが大切です。無理な予定を組んでしまうと、途中でやめざるを得なくなるリスクもあるため、余裕を持った計画を立てましょう。長期間のインターンに参加する場合は、学業への支障が出ないよう大学の履修スケジュールとも照らし合わせて検討しなければいけません。

企業から評価される可能性がある

インターンに参加することで、企業から選考対象と見なされるケースがあることを知っておきましょう。選考直結型のインターンでは、評価やフィードバックが今後の採用に影響することもあるため、気を抜かず真剣に取り組む必要があります。服装や言葉遣いなど、社会人としての基本マナーにも注意を払って過ごさなければなりません。特に、本選考を見据えたインターンでは、企業側が学生の志望度や協調性を見ていることも多いため、常に誠実な姿勢が求められます。

まとめ

インターンシップは、業界理解や自己分析、実務経験など多くの学びを得られる貴重な機会です。短期インターン・長期インターンなど形式の違いを理解し、自分の目的に合ったプログラムを選ぶことが成功のカギとなります。

早めの準備と情報収集を行い、有意義な経験を積むことで、就職活動や今後のキャリア設計に役立てましょう。事前の準備ももちろん重要ですが、まずは一歩踏み出してみることを強くおすすめします。